概 要
会社の税務を取り巻く最近の状況をみると、グローバル化の進展に伴う新興国での課税リスク、BEPSプロジェクトによる制度変更への対応、ROE重視経営への移行に伴う税のコスト化など、税に対する認識や税務管理体制などに関して大きな変革をもたらしかねないような問題が多数存在していることがわかります。これらは常に課税リスクと裏腹の関係にあるため、経営統合に伴う課税リスクや税務調査リスクなども含めて、それぞれの企業が自社の置かれている状況に即して、税務対応に関するリスクマネジメント体制の強化を図る必要性が高まっていることを示しています。
本講座は、上述の厳しさを増す税務実務をめぐる環境変化の下での税務リスクマネジメントについて、税務申告前における税務リスクの把握方法、把握した税務リスクへの対処方法から申告後に税務調査を受ける場合の実践的対応方法などについて、できるだけ平易に、興味をもっていただけるよう、当該分野に知悉した講師にご解説いただきます。
今後の税務リスクマネジメントの実務に役立てていただきたく、税務担当の皆様はもとより、リスクの所在を把握すべき取締役・監査役の皆様におかれましても、是非ともこの機会にご参加賜りますようご案内申し上げます。
講 義 項 目
Ⅰ 総論[1日目] 1.税務リスクマネジメントの必要性 2.追徴課税リスク関係 3.レピュテーションリスク関係 4.必要以上に税金を支払うリスク関係 5.税務リスクマネジメントの方法 6.税務ガバナンス体制の整備 6.1 概要 6.2 税務管理体制の整備 6.3 テクノロジーの活用 7.税制改正の動向 Ⅱ 進行年度(申告前) 1.税務リスクの例 [2日目] 1.1 組織再編税制 1.2 寄附金等 1.3 外国子会社合算税制 1.4 移転価格税制 1.5 国内外におけるPE 2.税務リスクの把握 [3日目] 2.1 情報収集と分析の概要 2.2 CFC税制における情報収集と分析の実務対応例 2.3 模擬調査 3.税務リスクへの対応 3.1 文書化 3.2 税務意見書 3.3 事前照会 3.4 自己否認・自主修正申告 3.5 ビジネス等実態面の見直し Ⅲ 申告後[4日目] 1.税務調査対応 1.1 税務調査手続きの概要 1.2 税務調査への対応 2.税務調査後の対応 2.1 国税不服申立、訴訟 2.2 相互協議等 3.税務調査対応の各場面における留意点 |