概 要
アメリカ、イギリス、ドイツでは、上場企業の規律が厳格化されたことや投資ファンドの台頭などといった上場の代替機能等が拡大されたことも作用して、この20年間で上場企業数が40%以上減少するに至っています。これは何を意味するのでしょうか。こうした劇的現象が展開している一方で、日本は上場会社数が増加の一途を辿っています。はたして日本の上場企業数はこのまま増加して行くのか、あるいは減少に転じるのかが注目されるところですが、少なくとも日本において今後も上場を続けていくためには、ディスクロージャーやIRを積極的に行うなどして、投資家との対話を確保することがますます求められます。同時に、日本においても上場企業が半減する流れが現実化することをも想定し、株式会社制度の転機とも言うべきこの変革の波を乗り切ることが必要です。そのためには、徹底した未来思考ないし知財的発想を基礎にする経営手法、投資手法の採用、すなわち従来の発想を転換した実際の施策が不可欠となっており、経営のベースとなる経営者の発想の転換や企画、財務、法務部門などでも戦略的な意味での発想の転換とその実践が必須となる現実を受け止め、そのための対応の在り方を模索する時代が続くものと覚悟する必要があります。
第25年度として発足する本研究会では、上述の時代背景にあって、経営トップ、経営幹部として把握しておくべき経営・財務・法務に関する諸問題の解明に相応しいゲスト講師をお招きし、鳥飼重和弁護士、中島康晴公認会計士のコーディネートにより運営して参ります。
最新情報の把握、あるべき対応への道筋の検討を迫られる会社役員(取締役・監査役)の方々、経営企画、財務、法務等多様な部門の経営幹部の方々のご参加を心よりお待ち申し上げる次第です。