概 要
明年2025年は戦後80年、昭和に数えると100年という節目の年を迎えることとなりますが、最近では東京株式市場では本年2月に史上初めて日経平均が4万円台に到達し、7月11日には終値として42,224円2銭の史上最高値で取引を終え、好調が持続する気配を見せていましたが、日銀による7月31日の金融政策決定会合において、政策金利を0.25パーセント引き上げたことが一つの契機となって、8月5日に「ブラックマンデー」を超える過去最大の4,451円の下げ幅を記録し、翌6日には一転して過去最大の3,217円の上昇といったように、株式市場は歴史的乱高下、まさにジェットコースターさながらの事態となっております。アベノミクスの後始末ともいうべき日銀の金融政策の舵取りは多難を極めており、円キャリートレードの巻き戻しなどを要因とした円高方向への変化にも注意が必要です。また、国内政治においては9月27日に開催される自民党総裁選では、岸田首相は立候補を断念し、史上最多の立候補者が予定されていますが、野党第一党の立憲民主党の代表選の結果と併せて、関心が高まっているところであります。
世界の情勢に目を転じても、ロシア・ウクライナ戦争は依然として終息の兆しが見えず、加えてイスラエルvsハマスの衝突によるパレスチナ問題では、イランによる報復が行われるとなれば、世界情勢はより一層混迷の度を深めることと必定です。また、米国では11月に行われる大統領選挙において、トランプ前大統領再選が濃厚とする向きもありましたが、バイデン大統領が撤退し、ハリス副大統領が登場したことによって、両者の支持率が拮抗している状況が伝えられています。トランプ氏が就任した場合は従来の政策が大幅に変更されるものとみられ、世界の政治経済に大きな影響を及ぼすものと思われます。それに加えて、パウエルFRB議長が9月以降に利下げに踏み切る考えを明言するなど、為替相場への影響を含めて、このFRBによる金融政策の動向にも注意が必要かと思われます。
また、習近平一強が続く中国経済では、依然として不動産不況による家計のバランスシート調整の影響などもあり、このまま景気減速が続けば、2024 年の政府成長率目標 5.0%前後の達成はほぼ困難であり、中国経済の不振は世界経済にも大きな影響を及ぼすこととなります。
今回も上述の国内の政治・経済の動向、アメリカ、中国、ヨーロッパ情勢を中心にグローバルリスクを折り込みながら、将来をいかに展望するかという問題意識のもと、多面的な見方・捉え方が可能となるよう、適時最適任の講師をお招きし、皆様のご要望に沿うテーマ・内容を心掛けた企画・運営を進める所存でございます。何卒多数の皆様のご参加を賜りますようお待ち申し上げる次第でございます。