概 要
2022年も既に8カ月が経過しましたが、5月に沖縄返還50年、9月に日中国交回復50年を迎えるなど、この年を節目の年と捉え、歴史の大きな転換点にあるとみる向きもあります。他方、世界の情勢を見ても2月のロシアによるウクライナ進行から半年が経過する現在もいまだその収束は見通せず、エネルギー価格、穀物価格の高騰は世界経済にも深刻な影響を及ぼしており、ロシアに対して経済制裁を加えている側がコストプッシュ・インフレに悩まされるという皮肉な事態となっています。また国内においては第7派による新型コロナウイルス感染症の拡大は止まず、いまだに不便な日々が続いているなか、昨年発足した岸田政権は7月の参議院選挙では、自民党が単独で改選議席の過半数を確保して大勝を果たし、引き続き安定した基盤を確保したかと思われましたが、その後明るみに出た旧統一協会との関わりから内閣の支持率は急落しつつあります。感染者が急増している新型コロナウイルス対策や家計を直撃している物価高対策などへの無策により、今後首相の指導力が問われかねず、その対応を誤れば一層の支持率低下も避けられません。また主要各国では米国をはじめ金利の引上げが取りざたされるなか、日銀の今後の金融政策動向にも注目されるところです。
世界の政治・経済に目を転じてみれば、米国においては経済面では記録的なインフレを抑え込むため0.75%という異例の利上げに踏み切るなど利上げによって抑え込む姿勢を明確にしています。政治においては2022年11月に中間選挙が予定されていますが、共和党が勝利するような事態となれば、議会とのねじれ現象が起き、支持率が低迷しているバイデン政権のさらなる低迷につながることも予想され、世界の政治経済にも多大な影響が及ぶ懸念があります。中国経済を見てみれば、成長率目標5.5%前後としておりましたが、現時点でその達成は見通せず、今後の財政・金融・ゼロコロナの3つの政策運営が注目されるところです。政治面では今秋に中国共産党全国代表大会が予定されており、今後の政治や経済の在り方にどのような方向付けがされるものか注目されます。
今回も上述のような国内の政治・経済の動向、アメリカ、中国、ヨーロッパ情勢を中心にグローバルリスクを念頭におきつつ、将来をいかに展望するかという問題意識のもと、多面的な捉え方が可能となるよう、適時最適任の講師をお招きし、皆様のご要望に沿うテーマ・内容を心掛けた企画・運営を進める所存でございます。何卒多数の皆様のご参加を賜りますようお待ち申し上げる次第でございます。