概 要
長期化する新型コロナウイルス感染症はさらなる拡大を続け、いまだにその収束の見通しは立っておりません。世界経済は欧米諸国ではワクチンの普及により一時の落ち込みから回復の動きを見せておりますが、日本においては緊急事態宣言の9月12日までの延長や対象地域の拡大を受け、今後も飲食店をはじめとする倒産件数の増加が見込まれ、これでは街の景観が一変することにもなりかねず、とても明るい見通しが望まれないところであります。しかも、政府による感染防止への取り組みへの遅れから、コロナ対策・対応は機能不全状態であり、それを受け、内閣支持率は30%を切り、不支持率は50%を超えるに至っており、今後予定される自民党総裁選や衆議院選挙を含めた政局には目を離すことができません。
一方、世界に目を転じると、米国経済については、コロナ危機からの回復ペースが加速しており、4-6月期の GDP はコロナ危機前の水準を上回り21年後半以降は、ワクチン普及による経済活動の正常化により雇用回復、物価上昇も一時的とする見込みを前提として、今後の利上げも想定されるに至っておりますが、タリバンによるアフガニスタン制圧のニュースは、20年にわたるアメリカの軍事的敗退として位置づけられることにもなりそうです。
また、好調な輸出を背景に製造業主導の景気回復が続く中国については、21年後半以降は成長率の鈍化が見込まれており、サプライチェーンの観点からも今後の推移が注目されるところです。
さらに、欧州経済に関しては、ワクチンの普及とともに経済活動を再開する動きが広がり、4-6月期は 3 四半期ぶりのプラス成長となり、22 年同期もプラス4%台前半と高めの成長が予想され、コロナ危機前の水準を回復するのは 22 年半ばとなる見通しとなっております。
今回もこうした国内の政治・経済の動向、そしてグローバルリスクを念頭におきつつ、将来をいかに展望するかという問題意識のもと、多面的な捉え方が可能となるよう、適時最適任の講師をお招きし、皆様のご要望に沿うテーマ・内容を心掛けた企画・運営を進める所存でございます。何卒多数の皆様のご参加を賜りますようお待ち申し上げる次第でございます。