概 要
混沌とする社会・経済情勢を象徴するかのように、これまで「株主第一主義」を推し進めてきたアメリカの経済界からも従業員や地域社会といったステークホルダーに配慮した長期・継続的な企業価値を高めるという動向が伝えられているところであります。一方、我が国の企業においては、ここ十数年来、「株主利益の拡大」に視点を置いたガバナンス論が展開され、短期的視点での企業経営への評価が主流になりつつある半面で、SDGs への取り組みは一部の大企業だけの問題ではなく、広く一般的な企業社会の課題として認識されるようにもなりつつあるため、従業員・競争相手企業への配慮しつつ、いかにして、企業の自律的経営を確立するか、そのためのガバナンスをいかに強化するかが重要な課題として浮上しているところであります。こうした複雑な情勢・経営課題に立ち向かうためには、関連する法律等の正しい理解は益々重要となっているところであります。
当協会では、平成8年より、企業法務を専門として活動し、複数の上場企業の役員にも就任しておられる土岐敦司弁護士にコーディネーターを委嘱し、会社法、独禁法、労働法等企業の総務・法務の責任者の方々が必要とされる情報と専門家にアプローチできる体制の提供に心掛けるとともに、企業法務に関連する法律の改正などに対しては、可能な限りタイムリーな情報提供をはかるため、メンバーの皆様のご要望を反映しつつ、コーディネーターから毎回提供する「ホットな話題」も含めて、常に新しい問題にスポットライトを当て、柔軟にテーマを選定して研究を進めて来ました。
新たな発足する第24年度においても、これまでの実績の上に、さらに充実した内容で研究会の運営を行い、総務・法務部門の重責を担う皆様のご期待に添うものとして行く所存であり、この機会に是非とも多数の皆様のご参加を賜りたく、ここにご案内申し上げる次第でございます。