概 要
2019年は統一地方選挙と参議院選挙が同時に行われる亥年に当たりますが、昨年9月に行われた自民党総裁選で3選を果たした安倍首相率いる現政権は、秋に予定される消費増税という逆風の下にあります。また、経済に関してはアベノミクスの「成果」が戦後最長の景気回復をもたらしているとされてきたところですが、ここに来て、不適切な統計処理をめぐる問題が発覚し、政府統計への信頼度に疑問が呈されています。他方、2013年4月から行われてきた日銀による金融緩和策では、その後の追加緩和、マイナス金利の導入の実施を受けても依然として2%物価目標は達成の見通しが立たず、地銀をはじめとする金融機関の収益の悪化という憂々しき事態を迎えております。
一方世界の政治・経済に目を転じると、好調だった米国経済では利上げの影響や中国をはじめとする貿易戦争による逆風など通商政策の先行き不透明により、その勢いが今後懸念されるところであります。また、中国経済においても債務の蓄積、過剰投資により、以前のような成長は見込めず低水準に推移するものと思われ、景気の減速が明確になれば世界経済に及ぼす影響も大きいものと思われます。さらに、欧州情勢では3月末までにEUを離脱するとする英国とEUとの協議の行方や、そのほか今後の日露関係、日韓関係の動向にも注目する必要があり、リスクは増大の一途を辿っています。
今回もこうした国内の政治・経済の動向、アメリカ、中国を中心にグローバルリスクを念頭におきつつ、将来をいかに展望するかという問題意識のもと、多面的な捉え方が可能となるよう、適時最適任の講師をお招きし、皆様のご要望に沿うテーマ・内容を心掛けた企画・運営を進める所存でございます。何卒多数の皆様のご参加を賜りますようお待ち申し上げる次第でございます。