新しい令和の時代になりましたが、会社法務実務研究会は、平成7年1月に、一般財団法人産業経理協会のご協力を得て発足いたし、無事開催を重ね、令和2年は26年目、四半世紀を超えることになります。産業経理協会は創立77年を迎え、このような伝統ある産業経理協会の歴史の中で、この研究会が永く継続できましたことは、偏に皆様方の熱心なご支援のおかげと感謝しております。
幸い毎年多くの会社のご参加をいただき、毎回私どもが研究している種々の問題点についての発表に際し、有益なご質問等をいただくことで貴重な問題点、関心の対象を知ることができ、大変有意義な研究会として継続できましたことに対し、深く感謝申し上げます。
会社法改正の国会審議が遅れておりますが、株主総会に関する規律の見直し、取締役の報酬規定の改正、会社補償、業務執行の社外取締役への委託、社外取締役を置くことの義務付けなどの企業統治等に関する規律の見直し、社債の管理、株式交付制度の整備等についての改正が予定されております。また、昨年「コーポレートガバナンス・コード」及び「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」が改訂されたのに続き、本年6月には、「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」が公表され、グループガバナンスの重要性が指摘されています。また、同じ6月には、「公正なM&Aの在り方に関する指針」も公表されました。
26年度は、改正された開示布令において適正開示等が求められております役員報酬についてテーマとし、また、改正会社法の対応、グループ企業運営の諸問題、M&Aに関する実務問題、そして、相変わらず多くの企業不祥事が生じておりますことからコンプライアンスの問題を取り上げ、毎年好評をいただいております独禁法、金商法の問題もテーマとし、そして、例年同様株主総会の実務対応を取り上げております。
本研究会の四半世紀にわたる実績を踏まえ、26年度も本研究会の更なる充実を図りますので、これまで以上に多くの企業関係者のご参加をいただきたく、切にお願い申し上げるとともに、この研究会を続けることで会社法務につき企業関係者と私どもの実りある共同研究の場となることを祈念しております。