会社法務実務研究会は、平成7年1月に、一般財団法人産業経理協会のご協力を得て発足いたし、無事開催を重ね、平成29年に23年目を迎えることができます。本年は産業経理協会が創立75周年を迎える由であり、このような伝統ある産業経理協会の歴史の中で、この研究会が四半世紀近く継続できましたことは、偏に皆様方の熱心なご支援のおかげと感謝しております。
幸い毎年百社を超える多くの会社のご参加をいただき、毎回私どもが研究している種々の問題点についての発表に際し、有益なご質問等をいただくことで貴重な問題点、関心の対象を知ることができ、大変有意義な研究会として継続できましたことに対し、深く感謝申し上げます。
「コーポレートガバナンス・コード」などソフトローにより法的拘束力はないものの事実上規制がなされ、これらの対応について、更なる充実を図る必要があります。また、平成26年改正会社法附則により、施行後2年を経過した後に社外取締役の選任状況その他の社会経済情勢の変化等を勘案し、企業統治に係る制度の在り方について検討を加え、社外取締役設置の義務付等の所要の措置を講ずることになっており、会社法再改正に向けての論議も続けられています。
今年度の研究会は、引き続きコーポレート・ガバナンスの問題を中心に、会社法、会社法施行規則及び「コーポレートガバナンス・コード」の下での株主総会対策、取締役会の在り方、新たに導入された監査等委員会設置会社における対応、ガバナンスが問題となっている監査法人と監査役員の対応、任意委員会の問題、株式関係の課題等のほか、独禁法、金商法に関連する実務問題を取り上げることといたしました。
産業経理協会の創立75周年という節目を迎え、また、本研究会の22年間の実績を踏まえ、23年度も本研究会の更なる充実を図りますので、これまで以上に多くの企業関係者のご参加をいただきたく、切にお願い申し上げるとともに、この研究会を続けることで会社法務につき企業関係者と私どもの実りある共同研究の場となることを祈念しております。
平成28年11月
会社法務実務研究会の一員として 弁護士 豊泉 貫太郎 弁護士 河和 哲雄 弁護士 榎本 峰夫